平凡に生きてきたつもりが、一億分の一を引き当てていた話。~あと血液のがんになった話~

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一週間、二週間とたつごとに、息のしづらさは息苦しさになりました。

 






胸の中から、何かせりあがってきて気道を圧迫するような感じがしました。

 





喉の奥の腫れはどんどん大きくなり、常にゆで卵くらいの大きさの何かが、喉の奥に引っかかっているような感覚です。

 

 

 

 

 

 

37度くらいの微熱が出てきました。

 




 

 

 

 

そしてある朝、首筋に鈍い痛みを感じて目が覚めました。

 

 

 

 



 

 

この感覚には覚えがありました。

 








 

「再発」


417日。

緊急で病院に駆け込んだため、主治医のW先生は不在で、代わりにほかの先生が診察してくれました。

 

「うーん、気の毒なんやけど、再発ですね。」

 

「…。」

 

それを聞いて、裏切られたような気持と、ああやっぱりなぁという気持ちが、半々でした。

 

「レントゲンの画像の、ここ。胸の奥の方から、枝が伸びてきているでしょう。腫瘍ですね。」

 

「放射線治療中に再発なんて、そんなことあるんですか…。」

 

隣に付き添ってくれた母が、

 

「これで全部終わったと思っていたのに、治療もちゃんとしてたのに、なんで…。」

 

と、消え入りそうな声で言いました。

 













人間不思議なもので、誰かが取り乱すと逆に当人である私は落ち着いてしまって、

 

「だ、大丈夫だよ、しっかりして。受けるのは私なんだから。」

 

というよくわからない励ましをしては母の背中をさすっていました。

 





「もう明日から入院して、治療を始めた方がいいですね。早速準備してきてください。」

 

「血液の病気って、目に見えない分長いですからねぇ。まだまだ頑張りどころはこれからですよ!」

 

と、先生もよくわからない励ましをくれました。

 

 

 

 

 



正直、初発の時は「治療を受ければちゃんと命は助かるのだろう」

 

と、感じていました。

 

自覚症状も息苦しさや体調不良くらいでほとんどありませんでしたから、危機感が薄かったのです。

 

けれどこの時は、気道が身体の中からどんどん塞がれてきて、窒息しそうになって、

 

今回初めて

 

「この病気、今回は本気で殺しにきてるなぁ」

 

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