一本の映画を撮るように、人生をプロデュースする話。(第3章:答えは東京に 編)

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著者: Tomohide Inubashiri
また、

葛藤。


もがき続けているが、
まだ出口と答えは見えてこない。


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バカ真面目が出した答えはコレだ。

「ハイハイ。剣道ではメシが食えないんですね。なら、お望み通り辞めてやる。」


ーーーーーー

オレが辞めたあと、部員も一人また一人・・・と辞めていった。

同級生の部長と副部長には本当にすまないことをしたと思っている。

ただ、
みんなが大好きだった剣道は、そこにはなかったと思う。


オレは辞める時、顧問に、

「剣道部は辞めます。ただ、剣道は辞めません。」と言って別れた。

部活に行かなくなった代わりに、地元の社会体育の剣道に参加した。

通称、”夜練(よるれん)”


地域の小中学生を、その地域の剣道の先生たちが指導してくれる。


中学の時に参加していた夜練。

また戻って来てしまった。


全ては自分の未熟さや努力の足りなさが招いた結果。


ただ、

もっと教えて欲しかった。


オレはどうすればよかったのか。

何が間違ってたのか。​


何のための”勉強”?

何のための”剣道”?

”個性”って何だ?

”ルール”って何だ?

”自由”って何だ?

”義務”って何だ?

”教育”って何だ??





いつかの夜練の帰り道。

暗闇の中。

下り坂を自転車で一人駆け抜ける。

冬の冷たい風で身体が震えているのか。




「葛藤」は歌に乗せる。

歌詞の中に何度も登場する”東京”


そこに”答え”があるような気がした。



”オレは東京へ行く!”



矛盾だらけの世界の出口から、光が少し見えた気がした。


そして、

今度は、
決意による興奮で身体が震えているんだとはっきり分かった。





33​

大学でも剣道は続けた。

ただ、体育会ではなく、剣道サークル。

明治大学駿河台剣道同好会。


自分の都合がいい時に気軽に参加できて、本当にいい時間を過ごせた。


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