オトコに貢ぐ男 第1章

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 そんな光景を見ているだけで興奮する!

 



 僕にとって・・この館は、男の館! パラダイスだった。


 毎日毎日、飽きるほど通いつめて紹介なんてしてもらわなくても、色んな男と知り合うことができる。

 この際、不細工な男だろうが関係ない!お金ではなく僕を求めてくれるのなら..

 しかし、世の中そう甘くはない。

 僕はブスで性格も悪い。

 まともな男が来るわけもなく・・・

 

 薬物で頭がラリッてる男に散々つきまとわれ、

 トドみたいな男には、付き合って2日もしないうちに

 トド「ごめーん、きみの足臭いから・・」と、僕より不細工な男にあっけなくフラれ。


 また、次に付き合った男は自衛隊員!頼りがいのある、誠実そうな青年だった。

 今度こそは!と気合いをいれて、頑張ってみたが、1週間も経たないうちに

 「PKO に戦いに行くから別れてくれ」などと訳のわからない理由で振られた。


 次こそは!と20才の大学生!

 デブで不細工だったけど、選り好みしていられず、付き合ってみることにした。

 ・・・が「最近、リュウマチが痛いから・・・」と振られた。

 20才でリュウマチなんて、聞いたこともない。

 

 やはり若い奴は、ダメなのかも・・と、中年のハゲたおっさんにチョッカイを出してみた。

 おっさんは薬局で働いていたが、僕が意味なく店にいくもんだから、ストーカー呼ばわりされ警察に通報・・・

 危うく捕まりそうになった。僕の魅力は、やっぱりお金だったんだ!と改めて悟った。

 

 それでも僕は男欲しさに、とうとう「090・・・」ヤミ金融に手を出し、

 素人が駄目ならと、ありとあらゆる雑誌を読み漁った。

 ヘルスやソープがあるように、男の子が相手してくれるその種の遊ぶとこぐらい、絶対あるはずだ!

 

 色んな情報を入手して、僕はようやく店を探しだした。

 

  罪と罰と男


 その店の名前は「ミカエル」


 2時間で2万5千円、決して安い金額ではないが、いい男が抱ける。


 ホモの館では、2千円で男とやりたい放題。

 しかし、僕に寄ってくる男は化け物軍団ばかり・・・。

 

 うんざりだ!!!

 お金をちょっと多めに払えば、いい男がひざまずく・・・。

 僕は金を作っては、その店へ通い続けた。店員さんとも顔馴染みになり、


 店員「お客さん!今日はいい子いますよ。どんなタイプがいいですか?」


 ヒデキ「んーどうしようかなぁ・・・」と考えていると、すかさず


 店員「ガッチリタイプはどうですか?」と、やたらガッチリタイプを勧めてくる。


 この前も同じことを言っていた。

 しかしながら、僕はガッチリタイプよりもスレンダーな体が好みであり・・


 ヒデキ「とりあえず、写真見せてもらえます?」


 店員「あーはいはい。今回は新人が入ったんですよ!この子なんてガッチリタイプだし」

 と、またガッチリタイプを勧めてくる。


 ヒデキ「いや、自分で決めますから・・」僕が写真をめくっていると

 ・・・「ありがとうございました!」とお客さんを見送っている男の子に、僕の目は釘付けになった。


 ヒデキ「あっ、あの人は?」店員に尋ねた。


 店員「あーあの子、貧弱タイプですよ」

 ≪そんなことは見りゃ分かる≫


 ヒデキ「彼を指名したいんですけど・・」


 店員「いいですけど・・・ちょっと待って下さいね」と、店員は彼を呼びに行った。


 店員「つばさちゃーん、御指名よー」


 真っ黒いスーツにダーク色のネクタイ、ロングヘアーがとても似合っていて 

 彼を見て僕は、今まで見たことのないカッコよさに感動した。


 翼「こんばんわ、翼です」




 優しい声、甘いマスク、微笑みかけられた瞬間、溶けてしまいそうなくらいの瞳。

 翼はキラキラと光っていた。

 その日から僕は、翼の虜になり毎日通って、翼を指名した。

 指名というのは、時間料+1万5千円の指名料が付く。


 僕は三時間、四時間と、とにかく延長しまくり、帰るときには10万!

 それでも翼と一緒にいたい。

 僕は翼に愛されている・・・そう思うことで僕の心は救われる・・・

 僕の頭の中は、翼でいっばいだった。

 苦しくなる程、翼が愛しい!!

 でも、翼に逢う為にはお金がいる。

 

 こうなったら、やるしかない!

 僕は、恐ろしいことを考えていた・・・とある店の前に立ち、意を決して店の中へ入る。

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