地位という魔物

前話: 某お嬢様大学の女の子に渋谷で出会う
次話: 望まぬ地位の価値
著者: Fukuda Takuya
あれから一年が経ち、今では僕の仕事は芸能や株式上場会社役員などの裏の遊びの調達屋みたいになっていた。
一般のデリヘルや風俗などでは遊べない方々が、名簿で好みを探し遊べるしかも〇〇会長の傘下なら大丈夫のような太鼓判が周りでは押されていた。
こんな仕事であっても僕は路上スカウトマンから地位が上がった気でいた。
渋谷で1年前に出会った真央にも芸能関係の付き合いの写真などを見せることで
誇らしさみたいなものを感じていた。
相変わらず真央はお金に無頓着だがこの子といると本当に安らかな時間が過ごせると感じていた。
東京の喧騒から離れ、二人で山梨の山にピクニックドライブに行った。
青々と茂った高原の大きな大樹の下で真央の膝枕の上で木の葉の間から太陽の光が差し込んでいたあの幸せ感は今でも忘れない。
もう僕にとって真央は仕事用女ではない。
これが僕の初恋の相手。
ただ・・・真央は銀座の不動産会社の令嬢であり、大学も女子大では日本最高峰のお嬢様大学に通っている。
妹の彼氏は明治大学法学部のアメフト選手

プルプル、はいっ
「海外からある不動産関連の会長さんがくるんだけど、英語が話せてThe日本美人な感じで育ちの気品のいい子がいいんだけど・・・いる?」
「この案件でかいよったくちゃん!頼むね」
「ご飯はホテルね」=やれる子という意味
探してみます・・・
そんな子いないよ!自分のストックを見る前に感じていた
もし一人だけ上げろと言われればそれは真央以外にいない
元々お嬢だし気品もあるし英語も堪能、なによりあの笑顔を嫌いという人間はいないだろう。
真央は俺にとってストックじゃない・・・
それから真央からのご飯の誘いが何度かあったが何故かずっと断り避けていた。
今あったらいつもの感じで仕事0で会えない気がしたから。
会合までも時間がない。。久々街角で声をかけてみたりもした。
そして・・・成田に招待客が着いたと携帯に連絡があった。
その頃、メールにいつもの喫茶店で待ってるねと真央からのメールが・・・
地位か?
真央か?
金か?
愛か?
まるで地位という次元爆弾のスイッチが押されたかのように僕はあせっていた。
俺の年齢は25歳、高卒、これといって取り柄もない・・・
こんな俺が芸能のドンに汚れ仕事だが拾われここまできた。
俺の仕事は年功序列もなければ社会的信用も保障もない。
仲間内は食えず裏稼業にいった人間もいる。
ただ、真央は初めて俺が恋をした相手。
大丈夫!決心がついた。地位というチャンスを捨てよう。
そうして待ち合わせの喫茶店に向かった。

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望まぬ地位の価値