赤字美容室を買収[月100万円の赤字]→[月100万円の黒字]の軌跡
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>赤字店舗にも関わらずスタッフの給与を大幅にアップした。また休日も増やした。
店舗運営を始めてすぐに着手したことは現場で働いてくれているスタッフの給与UPだ。
求人採用にはとても多くの労力とコストがかかる。
それであれば既存のスタッフにできるだけ長く働いてもらえるようにするのが得策だと判断した。
赤字店舗にも関わらず、人件費が増えることには少しの抵抗があったが売上で挽回すればいいと思い決断した。
また、運営してしばらくたってからだが休日を増やした。
月間稼働日数は23日前後。これに加えて強制的に消化しなければならない有給休暇がある。
美容サロンとしては休みは多い方だ。
スタッフの士気も上がったように思う。
この時点でスタッフは3名、席5席の小型店舗だったからできた対応だったかもしれない。
うーん、スタッフに好かれようとカッコイイ対応しちゃったけど、今後大丈夫かなぁ。。。
美容サロンの素人がITを駆使して赤字店舗の立て直しにチャレンジ
美容業界のことは右も左もわからない。
その中でまずはお金の動きを知ることから学んだ。
固定費は
・店舗家賃
・水道光熱費
・通信費
・人件費
・広告費
など
変動費は
・材料等の仕入れ
・消耗品
と通常のビジネスと変わらない。
特徴的なのは現金商売ということだ。売掛が存在しない。
しかし、仕入れは買掛だ。
キャッシュフロー的に恵まれている業種なのか?
しかし美容サロンは薄利である。
その理由は広告費の比重が高いことだと感じた。
美容サロンの場合、リピート率は約30%。
そのため、新規客を常に集客し続けなければならない。
そこでホットペッパーやクーポンランドといった集客媒体への広告出稿が欠かせないのである。
この広告費の削減は利益を上げるためにも重要だと感じた。
また、すべての美容サロンがそうではないのだろうが、費用対効果の測定をしていないことが驚きだった。
固定費の大きな比重をしめている広告費だが、こちらの店舗は毎月30万弱をかけていて、そこで集客した人数のカウントをしていなかった。
さらに驚くことに、広告媒体の業者であるホットペッパーさんとクーポンランドさんに話を聞いたところほとんどのサロンで細かな集客人数は把握していないとのことだった。
美容業界は薄利というが、このようなところをしっかり管理すれば利益率は上がるのでは?と感じた。
このように数十万の広告費の費用対効果の測定はしないが、ティッシュなどの消耗品はアスクルで注文するより数十円安い徒歩10分のドラッグストアに買いに行ったりしている。
この辺りがとても不思議だった。
スタッフの1時間の生産性(売上ベース)で考えると赤字時点でも2,500円(現在は5,000円)なんだよなぁー
徒歩10分のドラッグストアに買い物に行くと往復で20分。
ということは、数十円安い買い物をするために、1/3時間(834円)のコストをかけてるってことで・・・
5円安いガソリンを入れるのに10キロ離れたスタンドに行くって笑い話を聞いたことがあるけど、同じだなぁ
集客媒体としてお店のホームページを強化
フリーペーパーなどの媒体の集客力はすばらしいものがあった。
ここではホットペッパーを例に説明をしてみる。
※尚、過去の記憶をさかのぼっているので数字などには若干の相違があると思います。
当時(2007年頃)はホットペッパーの雑誌への掲載料が1ページ(見開きの半分のページ)の1/8スペースで月間126,000円だった。
これにネットの広告ページが付属している。
ネットの広告ページにはランクがあり
・Bプラン
・Aプラン
・Sプラン
・SSプラン
とあった。
それぞれのプランごとに掲載できる情報が違うのだが一番の違いはホットペッパーのホームページ内で検索して上位に表示されるかどうかだ。
これらプランはホットペッパー内の検索順位を買うと言っても過言ではないと思う。
月間126,000円では掲載プランはネットのAプラン。これが初期状態。
当時どの程度集客できるかを調べるためにSSプランを契約していた。
SSプランは月間273,000円。
そして、この料金は1年間契約が前提だ。
1ヵ月単位などの契約の場合、金額が跳ね上がる。
よって、ホットペッパーと契約をしている店舗のほとんどは1年契約だと思われる。
正直かなり高額なのだが、美容サロンのリピート率的に新規集客が必須なため、これらは必要経費だった。
しかし、IT業界が本業の僕としては、これだけの金額をかければお店のホームページで十分集客できるのではと考えた。
月間273,000円×12ヵ月=3,276,000円
ホームページの制作費とSEO費としては十分な金額だ。
とりあえずあるだけだったホームページをリニューアルしてSEOを実施しホームページからの集客を徐々に増やしていった。
月間売上150万円ぐらいのお店でも広告費に20万ほどかけているのは珍しくないんだ
最初のうちはリピート率を上げて、新規に依存しない体制を作ればいいとかキレイごと考えてたけど、そんなに甘くないな
やっぱ、集客はこのビジネスの要だ
顧客の質を徹底分析
予約型の店舗ビジネスの場合、キャンセルや予約時間の変更はお店にとって痛手だ。
特に、美容サロンのように1人のスタッフが1人のお客さんを施術するビジネスの場合、キャンセルのダメージは大きい。
来店するお客さんの属性を徹底的に分析した
・どの媒体経由で予約をしたか
・予約は電話かネットか
・予約時間通りに来店したか、遅刻したか、連絡アリのキャンセルか、連絡ナシのドタキャンか、日時変更か
・予約が入れられない状況(取りこぼし)は何名か
・客単価はどうか
そうしたところ、一つの図式ができた。
お店のホームページやブログを見て来店してくれたお客さんのキャンセル率は圧倒的に低い。
それもそのはずだ。お店のホームページを見て来店してくれるお客さんはいろいろな美容サロンのホームページをみて技術力やサービスなどを比較検討してウチの店を選んでくれている。
つまりは、技術やサービスでお店を選ぶ傾向にある。
しかしフリーペーパーの場合、自分の行きたいエリアの中から安い順番に電話をして予約がとれたお店に行くといったスタンスのお客さんが多い。
料金でお店を選ぶ傾向がある。
著者の太原 大助さんに人生相談を申込む
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