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エンジニアのスペシャリスト・田邊氏インタビュー 〜エンジニアの強みを最大化するための2つのDX〜

著者: マウントマヨンジャパン合同会社


IT総合商社・株式会社Wizに、2020年3月、社外執行役員CTOとして田邊賢司氏(以下、田邊と記載)が就任。トライフォート設立やランサーズなどで活躍されてきた田邊氏が、Wizのデータ活用から事業計画を担い、それまでにはなかった大きな起動力でWizを前進させています。今回は、技術面から拡張した事業における考え方や、今後どのようなエンジニアが必要とされるかなど、豊富な経験をもとにお話を伺いました。


■田邊賢司(Kenji Tanabe)

2003年に業務系SI企業に入社しメガバンクの基幹システム開発などに携わる。2012年に株式会社トライフォートを設立後、同社運用統括本部長として事業拡大に貢献。2014年、ランサーズ株式会社CTOに就任し、クラウドソーシングプラットフォームの運営においてエンジニア部門を統括。2015年に株式会社Emotion Techにも取締役CTOとして参画し、事業成長に大きく寄与、同年株式会社ProfitMakersを創業し代表取締役となる。2020年3月Wizの社外執行役員CTOへ。

キャリアから培われた自身を築く考え方


―Wizの社外執行役員CTOになられた経緯を教えてください。

 田邊:Wantedlyという求人サイトがきっかけです。求人サイトはよく見ていて、採用の対応市況はもちろんのこと、掲載されている各社のエンジニアプランニング、PR面も参考にしていました。そんなある日「CTO募集」という文字が目に飛び込んできて、事業内容を読み進め興味を持った会社がWizでした。数年前ですが、「CTO」という肩書にこだわっていて、明確なポジションから見える世界がどんなものかを体験したいという思いが当時強くありました。今はその肩書きをロール・役割と捉えていますが、若いときから自分でサービスをつくりたい、会社を運営してみたいという考え方は変わっていません。重要責任者のパスであるCTOを選択し経営のことにもっと携われるのではないかという気持ちがWizと自分を引き合わせてくれたと思っています。


―これまで手がけたプロダクトで難易度の高かったものは何でしょうか?

田邊:メガバンク基幹システムの開発からスタートして、多様なWEBサービスに携わってきましたが、ソーシャルゲームの開発についてはいろいろな意味で難しかったですね。「何日の何時から何日の何時まで◯◯イベント開催!」というように期間限定イベントの告知と共に開発をしていくわけですが、ゲーム参加者のトラフィックは秒単位で数千、数万人にも膨れ上がり、それはもう大変でした。同時アクセスがイベントごとに人気であればあるほど発生するため、サービスの遅延が起きて「時間限定イベントに参加しようと思って時間通りにアクセスしたのにサービスに接続できなかった!」などというあってはならない問題を避けるために懸命でしたね。また同時に、キャラクターの動作やアニメーションなどの複雑な動きも要求されるので、どんなデバイスの性能でも、それなりにスムーズに見える対応処理に悩まされました。当時は、通信回線の限界をカバーするためにフロントエンド側からインフラ側まで、すべてに高度な技術が求めれられましたね。


巨大なデータを扱うメガバンクの仕事も、データ量に対するパフォーマンスや業務知識が問われましたが、ソーシャルゲームはとにかくスピード勝負。技術面だけでなく、企画と連動して瞬時に処理をしていく開発は、ユーザーの反応を見ながらマーケターやプロダクト企画など、複数の職種の方と密にコミュニケーションを取りつつ、連携していかなくてはならず、、仕事を進める難しさを感じました。

自分が関わっていたゲームには、アプリケーションストアでトップ10に入るものもあり、月に数十億円という金額が動いていました。よって一瞬でも対応が遅れたら億単位で売上を落とすという緊張感が常にありましたね。手戻りがあるとその分時間を大幅にロスするので、仕事の仕方も臨機応変にしていき、事業側のKPIの理解や事業全体の把握に努めながら、エンジニアとして何を優先すべきなのかという判断力をここで鍛えさせてもらったと思います。


―ソーシャルゲームの開発で学び得たことは何ですか? 

田邊:ゲームの世界では当たり前であるBtoC向けのサービス形態を、BtoBに置き換えて構築することはなかなか難しいものがあります。代表的なSaaSに、米国で生まれた顧客管理システム「Salesforce」がありますが、これはクラウドで提供するシステムとして、強力な営業力を武器に売上を伸ばし拡大成長を遂げました。日本で同じことを考えても言葉・文化の壁があり、現実的には難しい部分もあります。かといってクラウド上だけで完結するようなSaaSで戦おうとしても簡単にはできません…。では、どうしたら自分たちのサービスを選んでもらえるのか、サービスを成功に導くことができるのか。その答えの一つに圧倒的なUI/UXやユーザ認知と共感がある思います。

AppleのCMなどはまさにそうで、CMの出だしはなんのCMかよくわからないけど、見ていて「かっこいい」、「自分もこういう生活をしたい」という共感を呼ぶことでブランド価値が生まれ、世の中に浸透していますよね。そういう認知と共感を得たサービスは、多少高かったり、機能が劣っていたりしてもユーザは使いたいと思っているはず。なぜなら価値ある表現と体験を兼ね備え、唯一無二の世界観を打ち出しているからです。ゲームも同じで、機能、価格、コスト戦略も大切ですが、ゲーム内のユーザーレベルに合わせて目的を達成できるよう体験を創出するといったUI/UXや、多くのユーザの共感を呼ぶような世界観やストーリーがあれば、世界中のどこで勝負しても負けません。今でも頭の中でビジネスを考えるとき、ゲーミフィケーションの考えをUI/UXへ取り入れたり、サービス全体の世界観やストーリーまでを構想しています。その世界観が示すブランディングにユーザーが共感してくれるかどうか、その難しさ、大切さをソーシャルゲームの開発から学びましたね。


横断的な考えと柔軟性を持った次世代のエンジニアへ

―では今のWizにはどんな環境・人材があると思われますか?

田邊:まず充実した制度があります。

Wizは環境的な面でもエンジニアに優しい企業だと思います。書籍の購入、セミナーの参加などスキルアップにつながることであればすべて会社から費用が出ますし、エンジニアの技術を磨く以外にプラスαの周辺要素の勉強も社内外問わず可能です。ビジネス周りの人がどんなことで困っていてどうエンジニアリングで解決するかとか、便利なSaaSについて情報収集してどれだけ自分のリソースを節約できるかとか、マーケティングを学んで事業成長にどれだけリソースを割り当てられるかとか、エンジニアのパフォーマンスを最大限に高めてくれるステップに惜しみなく費用をかけさせてくれますね。

 

次に、横の繋がりを感じられる組織です。

今日もWizのエンジニアと話していましたが、皆さん気軽にコミュニケーションをとってくれるので、とても接しやすいです。ポジティブで気さく、そして優秀。さらにスキルを伸ばそうというモチベーションの高い方が多いという印象ですね。

ビジネサイドの人数が多い組織がIT系企業の中でも一般的ではありますが、そういう組織ですと場合によってはエンジニアは萎縮してしまうと思われるかもしれません。しかし、Wizでは皆さん伸び伸びとされています。組織、ポジションの垣根がなくslackやチャットワークを使って連携できる部分が影響していると思います。また、新しいツールが導入されるときはテストプロジェクトを立ち上げ、置き換えを他部署と連携してやっているので生産効率・事業スピードも上がっているように感じます。発言をどんどんしていく行動姿勢からも良い雰囲気づくりができており、心理的な安全性が確保できているのではないかと思います。

 

さらに、モダンな開発環境が魅力です。

AWSは当然のことながら、Firebaseを使った効率のよいアプリ開発を行ったり、フロント部分はNuxt.jsで実装したり、Reactを使ったりしていますね。また、SPA(シングルページアプリケーション)で、フロントエンドを独立させてサーバーサイドに通信するだけの構造設計・実装をやっていて、案外こういった新しい技術を積極的に採用している会社って他に少ないのでは?と、今までの様々な会社での経験で感じています。バックエンドの人たちも工夫して頑張っていて、AWSが提供しているサーバーをコンテナ管理するサービスを利用したり、認証機能を提供するサービスを利用したりと、新しい技術やサービスを積極的に取り入れながら開発しています。本当だったら自分たちで全部構築しなければならないところを、IaaS、SaaSで提供されているツールを使って、わざわざ1から自分たちで作らずに、簡単かつ効率的に実装まで持っていっていますよね。フロントエンド、バックエンド共に先進的な技術や意識を持って業務にあたっていると思いますよ。




―田邊さんが思う“エンジニア”とは何でしょうか?

田邊:エンジニアリングは手段だと思っています。ミッション/ビジョンや、事業目標を達成するための手段として技術を捉えています。エンジニアリングを使わなくても成り立つ事業ならそれでも構いませんし、基本的には大切なエンジニアリソースをコストと共に上手に配分しながら、事業を前に進めることが企業として健全な姿だと考えます。だから、技術が目的となるテックカンパニー以外の殆どパターンでは、事業ありきでエンジニアリングを考えなければなりません。「なぜ作るのか、何を作るのか」、事業の根幹となる背景と目的をエンジニア一人ひとりが理解してはじめてその役割を果たせるのではないでしょうか。経営側もエンジニアが事業やプロジェクトのゴールを理解し納得できる組織や業務プロセスを工夫し構築しなければと思っています。

 

―具体的に採用強化したいエンジニア像は?

田邊:マネジメントには向いているけどスペシャリストとしてやっていくには技術的に足りない人や、組織管理は不得手だが専門性が極めて高い人など、さまざまな特技、特徴を持った人がいると思いますが、個々の能力を発揮しつつ柔軟な動きができる人を求めています。迎える側としては、素晴らしい技術を持っているエンジニアが離れてしまわないよう、彼らをコストではなく競争力として捉え、それぞれの強みを活かせるような評価制度や育成システム、キャリアパスを用意できればと考えていますね。もちろんスペシャリストを目指す以外でも、エンジニアからマーケターになってもいいし、その逆でも構わない。会社の事業と寄り添い、目標設定のすり合わせを密に行うことが前提ですが、そこさえ押さえておけば、エンジニア以外の仕事も経験として持っておいても良いのではないかと思います。例えば、1日体験でカスタマーサポート業務に就き、自社サービスを使う側としてエンジニアがつくったものを体験したり、営業を手伝ってみてセールスの悩みを把握したり、広報を手伝ってみてPRに必要なものを理解したりと、色々経験することで、開発のヒントを掴み、先述したような価値あるUI/UXを生み出せるエンジニアになれると考えます。自分の強みを活かして横断的に柔軟に動けるエンジニアとぜひ一緒に仕事をしていきたいですよね。



2つのDXが導くこれからのエンジニア

―エンジニアの未来について教えてください。 

田邊:2つのDXが鍵になると思います。

まず1つ目はデジタルトランスフォーメーション。より良い生活、社会にするためにIT技術を使って新しい価値を創造することですが、今後ますますエンジニアが社会的に重要なリソースとなることでしょう。ただしそこには、エンジニアリングでいうところのDevOpsと似た概念を持ち合わせる必要があります。DevOpsは開発サイド(Development)と運用サイド(Operations)が協調し、共に開発・運用をしながら、ソフトウェアやシステムによってビジネスの価値を高め、その価値を確実かつ迅速にエンドユーザーに届け続けるという考え方です。DevOpsだけではなく、以前からSalesOps、MarketingOps、DateOpsなど、各業務プロセスにおいてエンジニアは色々な部署や職種の人たちと協働関係を築きながら堅牢な組織・プロセスをつくってきました。会社独自の業務フローのカスタマイズ設定やツールとツールを繋ぐツールの開発など、どの業務工程にもエンジニアの力は不可欠であり、これからさらにその意味を強めていくと確信しています。エンジニアリングが各部署の生産性を高めたり、コスト削減を実現させたり、より良い事業を創出する要になることは間違いないですね。

 

2つ目のDXは、デベロッパーエクスペリエンスです。これはビジネスサイドとは反対に企画や開発、制作に関わるクリエイティブサイドの企業活動における体験を意味します。簡単に言うと、ものづくりをする人たちの環境を整えることが大事ということです。企画やエンジニア、デザイナーなどクリエイティブサイドの方々にとって働きやすい環境をつくらないと、1つ目に上げたDXの推進力も生まれません。スキルの補助やツールの整備、環境スペースの確保など、さまざまな部分を重視し、大切な資源であるエンジニアをはじめとしたクリエイティブサイドの人々が柔軟に活躍できるフィールドを築くことが先決かもしれませんね。

Wizでも、開発者をサポートできる体制まで考え抜いたDXが提案できればいいなと考えています。エンジニアの強みを最大化する2つのDXが、エンジニア自身の未来を照らし、社会のこれからを創るのではないかと期待しています。




―最後に、田邊さんご自身が今後やっていきたいことを教えてください

田邊:エンジニアの、事業における競争力の源泉としての力を強化したいですね。エンジニア自身が事業つくることはシリコンバレーでは割とスタンダードですが、そういう技術者が増えると事業スピードも上がると思います。自分で企画、マーケティングした上でものをつくれる人は、これは最強ではないかと考えます。セールスまで含めるとここからさらに難易度はあがりますが、マーケティング、企画、開発、リリース、運用の一連のプロセスの周辺領域をカバーできるような人材育成をしていきたいと思っています。

先ほどお伝えした2つのDXを浸透させていき、エンジニア自身が事業を前に進める競争力となるような組織・会社を目指していきたいですね!


さいごに

今回はWizの社外執行役員CTO・田邊さんに取材をさせていただきました。

IT総合商社 Wiz(ワイズ)では田邊さんというエンジニアのスペシャリストと働くことができます!あなたも一緒に活躍しませんか?選考についてお気軽にお問合せください。


■この記事の関連求人

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