「人生って意外と 捨てたもんじゃないよ。」

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充実していた高校生活も終盤戦。


またまたやって来ました受験シーズンが。


いつの頃からか将来は体育の先生になりたいと思うようになり、


体育大学を受験する事に。


ありがたい事に下手くそだったけどソフト頑張っていた事を


認めてもらえスポーツ推薦の話があり無事に合格。


受験が終わってからは当時付き合ってた彼女と


離ればなれになっちゃうまでの大切な時間を


なるべく多く取る様にした。


卒業後初めて好きな人と離れる辛さを知った。


少しだけ大人になった気がした。




4月になり大学入学。


人生初の一人暮らし。


不安と希望の半々だったな。


アパートは大学専用のアパートだったからすぐに友達が出来た。


学校も体育大学だから実技が多くて楽しかった。


登下校はほとんどジャージ。


セーラー服から解放されて浮かれ気分。


サークルには所属せず、


近所のスポーツクラブでインストラクターのバイト三昧。


やっぱり誰かに運動を教えるのって楽しいって思った。


大学時代の彼女は同じアパートの同級生。


もちろんほとんど同棲状態。


まるで新婚生活を送っているようで新鮮だったな。


その頃から将来は男として女の子と結婚して普通の家庭を築きたいって思うようになった。




まだ性同一性障害って言葉も知らなければ


日本で戸籍変更が出来るなんて事ももちろん知らなかった時代なんで


夢のまた夢の話だと思ってたけどね。




大学生活も終盤。


体育の先生になりたくて入学した学校だったけど、


バイトに打ち込み過ぎて単位が1つだけ足りなくて先生の夢は断念。


インストラクターのバイトで知った誰かにスポーツを教える楽しさを忘れられず、


スイミングスクールのインストラクターとしての就職が決った。


学生生活もこれで終わり。


何かと充実した学生時代だった。






②カミングアウト


 4月になり、地元のスイミングスクールに入社。


生まれてこれまで自分の心は男であると誰にも言った事はなく


ボーイッシュな女の子として生活してきたけど、


就職を機に友人や職場の人たちに初めて打ち明けた。




オレ自身まだ性同一性障害を知らなかったから


上手く説明出来なかったけど


「オレは男として女の子が好き」って言ってた。


自分でもよく分かんないんだからみんなの頭ん中は混乱するよね。


男として?


だって女の子じゃん。


ごもっともな意見だよね。


それでも応援するって言ってくれたみんなにホントに感謝してる。


世の中には気持ち悪いとかって言って偏見の目で見る人も少なくないと思う。


偏見が怖くてずっと本当の自分を隠して生活してる人、


勇気を出してカミンアウトして、偏見の目で見られスゲー辛い思いしてる人、


中には耐えられずに自らの命を絶ってしまう人だっていると思う。


そう思ったらスゲー幸せなんだと思う。


マジで。

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