「お腹の子は、無脳児でした。」~葛藤と感動に包まれた5日間の記録~

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後編: 「お腹の子は、無脳児でした。」最終話 ~妊娠498日の約束~

頭の大きさがちょっと小さいんだよね。

ていうのは、後頭部が成長してないのよ。」


「はい?」


「前回のエコーではね、

そんなふうには見えなかったんだけどね。

んーーー。まー、要は脳がないんだよね。」


「え?!」


「無脳児って言うんだけどね。

こういう事、稀にあるんだよね。

お母さんのお腹の中では生きられるんだけど、

脳がないから、産まれても生きられない。

今の段階での治療法っていうのは、何もないんだよね。」


お腹の中では生きられる。

でも、脳がないから、産まれても生きられない。


全然わからない。

全然整理できない。


「え。どうしたらいいんですか?」


「今妊娠14週だよね。

そうすると、妊娠12週以降の場合は、

普通のお産と同じ形で、

赤ちゃんを出すしかないんだよね。

中絶という事になっちゃうんだけど。」


「中絶?!」


「うーーーん。無脳児ってね、

脳がないだけで、体はほんと普通に育つんだよね。

目もちゃんとあるしね。

心臓もちゃんと動いてるから、

どうしても中絶という言い方になってしまうんだよね。

母体のリスクを考えて、

母体保護法で中期の中絶をしてもらうことになってしまうんだよね。」


先生はすごく申し訳なさそうに言った。


みんなの読んで良かった!