第8話 人生を変えた1つの質問【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
何も考えず声をかけてしまい、頭が急に真っ白になる。
しまった!何を話すかも考えてなかった。どうしよう。。!
それで、あの、行かなきゃって!
まさくんからの今朝届いたメルマガを思い出す。
まさくんは資金がつきて自分はもう東京にいる役目がない、って葛藤していた。
そうだ。だから、それは違うよ!って、ただそれを言いたかったんだ。
しどろもどろ、言葉をつなぐ。
下手くそだけど、こころのまっすぐなところで言葉を出したつもりだった。
寒いはずなのに、にぎった手にはたっぷり汗をかいている。
ありがとう!!
東北訛りのやさしいイントネーション。
目の前のまさくんが、本当にうれしそうな顔になった。
あぁ、、来てよかったんだ。。。
ほっとして、体中の緊張や不安が、なにか熱いものに変わってめぐっていく。
まさくんのうれしそうな気持ちと
自分の嬉しい気持ちがまじって目頭が熱くなった。
まさくんの反応が本当に、嬉しかった。
それがまさくんとの最初の出会いだった。
ソペアモンコール(幸せ)の始まり
原宿のゆるい上り坂を、今度はゆっくり下っていく。
来た時は不安でいっぱいだったけれど、
今は充実感と幸せな気持ちであふれていた。
坂の途中の目についたカフェに入る。
ホットのカフェラテを頼んで、トートバックに滑り込ませたアルケミストを開いた。
書き下ろしをしてもらったとき、まさくんと色んな話をした。
彼は初めて会ったとは思えないほど、こころが近く感じる人だった。
そして書き下ろしが終わったあと、また話そうとお茶に誘ってくれたのだ。
アルケミストから始まった今日の一日の不思議な流れと
まさくんとの出会いが、こころをあったかく満たしてくれていた。
”前兆”を信じてここまで来た自分が、すこし誇らしく思えた。
アルケミストをめくりながら、この時間をゆっくりかみしめる。
まだこころの奥がワクワク震えていた。
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