【第八話】『旅人になった日』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

10 / 11 ページ

前話: 【第七話】『そして、旅に出る』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
次話: 【第九話】『旅の洗礼』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜


ずぅーっと、変わらない道。


目に見えるのは、


大月カントリークラブまであと…







時刻は午後4時を回った。




まだ変わらぬ景色を歩いている。




このままでは日が暮れる…。




夜になったら、危険だ。




何せ、街灯なんてありゃしないんだから。




大月…




ラジオの交通情報で、よく大月JCTって聞くな。




大月はきっと大きな街だ!




今日のゴールは大月駅にしよう!


駅前ならどこか宿があるだろう。




1日目にして、ゴール変更…。




しかし、この判断は正しかった。






やっと、山道を抜けた。




そしてついに…







大月カントリークラブ!




なんか感動した。




最初は12㎞先だったのに、今は350mで左折するところまで来ている。


すんげぇ歩いた。




そしてこの場所では、電車が走っている。





甲府行きの電車。




この電車や、僕を追い越していく車を見て思った。




人間はなんて非力なんだろう。




25㎞なんて、電車や車ならほんの数十分で辿り着いてしまう。




しかし、その距離を歩こうとすると丸一日かかる。




人間は非力だ。


世の中はどんどん便利になっていく。


しかしそれは、人間の知恵が優れているのではなく、

人間の非力さを必死で隠してきたように思えた。


著者の坂内 秀洋さんに人生相談を申込む

著者の坂内 秀洋さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。