【第16話】『最後の挑戦へ』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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著者: 坂内 秀洋

歌い出したくなるくらい最高の気分だった。






この旅至上、1番美しかった景色。



外国の映画に出て来そうな、こんなにも壮大な景色を見たのは生まれて初めてだった。



「あーっっっつ!!!!」



と叫びたくなるくらいの壮大な景色だった。






美しい景色は、いつも僕を元気にしてくれた。



ただそこにいるだけで、気分は晴れ、


過去の辛かったことも忘れてしまう。



この先にもっと素晴らしい景色があるんじゃないか?



という、ワクワク感で溢れる。



この時だけは、自分が最強になった気がした。



自然のパワーを感じた。





ほんの数日前までは、



美しい景色=死に場所候補



だった。



でも、今は違う。




美しい景色=また来たい場所




になっていた。





この時すでに、



生きるか、死ぬかの答えは出ていたのかもしれない。 


でもまだ、その答えに100%納得した訳じゃなかった。




僕は弱い人間だ。



この時の答えにまだ自信が持てなかった。



きっと元の世界に戻ったら、この答えは最も簡単に書き換えられてしまう。



だから、強くならなきゃ。



強くなりたい。



そう思った。





木崎湖を通り過ぎ、中綱湖、青木湖を通り過ぎた。



青木湖も実にいい景色だった。






この小さな桟橋で、はじさんの奥さんへ誕生日メッセージムービーを撮った。



なぜならこの日、



はじさんの奥さんの誕生日だったから。



そして、はじさんの苗字が青木だから。



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