【第2話】〜生きようと決めて1年間闘い続けたら、過去がすべて今に繋がっていた話〜

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著者: 坂内 秀洋

「何でも出来る必要はない!」


「こんなのは僕には必要はない!」


と開き直った。


その代わり、負けたくない事は絶対に誰にも負けたくなかった。


というか、絶対的に信じていることがあった。


それは、「自分の思想」だった。


自分のポリシーというか、正義というか、哲学というか。


自分の考えだけには自信を持っていた。



僕は幼い頃から、打たれ弱い性格だった。


怒られるのが大嫌いで、怒られないように正しいと言われる振る舞いをして来た。


だが、世の中には理不尽なことが多々ある。

理不尽なルール、理不尽な習慣、理不尽な人…


小5くらいから、

「なんでこんな決まりなんだろう…?」

「なんで嫌なことをやらなきゃいけないんだろう…?」

「なんで間違ったことをしなきゃならないんだろう…?」

「なんでこういう言い方をするんだろう…?」

「なんでこういう態度を取るんだろう…?」

と、いつも疑問に思っていた。


僕はこれらが理解出来なかったし、大嫌いだった。


「そういう決まりだから」


「規則だから」


「伝統だから」


「俺たちもこうしてきたから」


「社会ってこういうもんだから」


ということで理由も聞かず、有無を言わさずに判断され、

問題を片付けられることが大嫌いだった。


いつも納得出来る理由が欲しかった。



だから、僕はいつも「こういう人には絶対にならない。」と思っていた。


間違っていることは、「間違ってる!」と言うし、

相手に納得してもらうように説明をする。

何より、自分がされて嫌な事は、人には絶対にしない。


しかし、大衆、規則や伝統、社会のルール、世界を変えるのは、非常に難しい。


数えきれない程の多くの人たちの協力が必要で、自分一人では到底出来ない。


でも、だからと言って何もしなければ、世界は全く変わらない。


そして僕は考えた。


「やられたら、やり返す」

「同じ事を繰り返す」

という人が多いなら、

これと同じ原理で、

「相手に良い事をしたら、相手も誰かに良い事をするんじゃないか?」

と閃いた。


相手に良い事をされて、嫌な事で返すような人はなかなかいない。

良い事で返すかは分からないけど、可能性は0じゃない。


だから僕は、「まずは自分から始めよう!」と思った。


負の連鎖が自分に降り掛かって来た時に、そのまま誰かに繋げてしまうのではなく、

自分のところでストップさせ、その連鎖を断ち切る。

そして、より良いと思うことを発信し、その後の人たちに連鎖させていく。


たった一人でもそういう人間がいれば、

その人の周りの人、その周りの人の周りの人っていう風に、

どんどん増えていって、最終的に世界中の人に連鎖し、

結果、世界を変えられると思った。


これが僕の思想。


もちろん、今もそう思っている。



僕は、世界を変えたい。


僕には伝えたい事がある。


そう思って中学の時にバンドを始めた。


元々目立つのは好きだし、いつも人と違う事がしたかった。


それが僕が思うカッコいいことだったし。


高校生になり、僕はステージに立った。


音楽にのせて、自分の感情を伝えた。


曲よりも、僕は曲の合間のトーク、MCに力を入れていた。


ただの部活のコピーバンドなのに、ライブ中のMCを紙に書き出して、

曲とMCが繋がるように、曲順を決めたり、やる曲を決めたり。

練習でもMCを入れて、ライブ前にプチライブしたり。


自分の伝えたい事を発言するのはもちろんのこと、

「それをどうやったら人により伝わるか?」

「どんな言葉を使えば心に響くか?」

ということを考えた。

本番を何度も何度もイメージし、ライブに挑んでいた。


ステージでは、多くの人が僕の話を聴いてくれた。

僕のMCは毎回好評だった。

僕は、「やっぱり天才なんだ!」と思った。笑

それで誰かの心が動いたのかどうかは分からないけど、

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