福岡から歩いて日本を一周する間に出会った人や出来事のお話 其の弐

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著者: 白石 悠

1:岡山県で出会った子供達


夕方コンビニの前で休憩してると、3人のチビッ子が近付いてきた。


「なぁ、おにいちゃん旅人なん?」


「そうやねぇ福岡から歩いてきとるよー」



「マジで旅人なん!?すげー!!そうかなー?って思いよったんじゃ!!」


「あたしが最初に見つけたんよー!!」


「だから言ったやん!やっぱ旅人じゃ!」


小学校高学年の男の子二人と、低学年の女の子の3人だった。


「どこに泊まりよんの!?」


「公園とかにテント張ったりしとるよー」


「すげー!!テント張れるん!?じゃ今日は家の近くの公園に住めばええじゃん!!」


「良い公園があるなら助かるなぁ~」



と、このあとも僕は「お化けは恐くないか」「お母さんに会いたくないか」「福岡出身の担任の先生は知ってるか」など、聖徳太子かってくらい質問攻めを受けながら公園へと案内してもらった。


「俺なぁ~大きくなったらお兄ちゃんみたいに旅に出るつもりなんじゃ~」


「おお~いいじゃん、出てみなよ。楽しいよ~」


まぁホントに旅に出るかはわからないにしても、この子らが大きくなったときに僕がどんな風に思い出として残るのかちょっとだけ気になった。


そして公園のど真ん中でテントを張って見せた後、一緒にサッカーしてたら暗くなったので子供たちは帰ることに。


「じゃあまた岡山に来て遊んでな!約束じゃけんな!!」


「うん、約束する!もう遅いからお母さん心配しとるよ!早く帰りー。」


「うん!バイバイお兄ちゃん!!」


「バイバイ~」


結果的に住宅地の真ん中にあった公園だったのでそこでは野宿出来なかったんだけど、子供たちの純粋な優しさと好奇心にスゴく懐かしさを感じた。


俺もあんな感じだったのに、いつのまに大人になったんだろ?


でも大人になるってどういうことだ?


子供心を忘れること?


なんか色々と思い出したことも多いけど、不思議に思うことも沢山出てきた。

特に目的もなく旅に出てきたけど、だんだんとモヤモヤしてたものが形になってきてるような気がする。






2:使徒襲来


その日は岡山と兵庫県の県境まで来た。

もう大分遠い所まで来たなぁ。

しかしこんな所まで歩けるもんだな…。


でも今日の寝床はまだ決まってないんだよな。


しばらく国道を歩くと、少し小高い丘の上に公園らしきものを発見。


今日はここにテント貼りますか!


辺りが薄暗くなったのを見計らってテントを貼る。この公園、住宅地が近くこじんまりした敷地で、殆ど周りに人気もなかった。

その日はかなり距離を歩いたのもあって寝に落ちるのは早かった。



そして深夜2時頃だろうか。


声が聞こえる…。


それも数人、話しの感じからして高校生くらいだろうか。


こっちに気づかないでくれ!

こっちに気づかないでくれ!

こっちに気づかないでくれ!

こっちに気づかないでくれ!















「あれ?あそこになんかあるくね?」





ま じ か 。



「うわ!wみろよ!テントあんぜ!?ww」


「マジやん!ww人入ってんのこれ?ww」


「キモ!wwマジかよww」



うっせーよ!ほっといてくれよ!!どっか行ってくれ!!

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