1km走って足がつっていた僕が、東海道53次を走ったら、ゴビマラソン250kmまで完走して世界一になった話。

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そんなことを感じたのが正直なところ。

でも本当にこの痛みを抱えながらでは、

ペースも落ちてるし、時間内のゴールが絶望的だ。。


そして2つ目のコペルニクス。

とえちゃんが、マッサージしてくれると言ってくれて。

その当時は何者か知らなかったけれど、体のプロフェッショナルだった。


痛みをのある場所ではなく、凝り固まったところが筋肉を引っ張っていて、

張った筋肉が骨と擦れて痛くなるんだと教えてくれた。

そして、凝り固まった箇所をほぐしてくれた。

(超痛かったけれど。(笑))


(どうせ無理だろ・・・えっ?)


歩き出したとたんに、さっきまでの刺すような痛みが

なくなっていることに気がついた。


(ウソだろ・・・こんなに急激に変わるものなのか?)


そのおかげでペースを持ち直し、歩き進めていった。


それでも距離は長く、日は暮れ始めていた。


ゴールはできるかもしれない。

でも、終電に間に合わなくなりそうだ。。


痛みを抱えながら、松林を抜けて知立CPにたどり着いた。

終電に間に合うために、ここからワープするしかないのか?


いや、ここまでつないできたんだ。途中リタイヤはないだろう。

でもこの歩きのペースじゃやっぱり間に合わない。


どうしたら・・・?


そんな迷いの中にいたときに、エイドで待ってくれていたなおみちゃんが

「頑張ってね」とギュッとハグをしてくれた。


「!!」


嬉しかった。

諦めかけていた僕の中に、何か知らないスイッチが入った。


終電に間に合わせるためには、走るしかない!


ちょうどそこに前回ステージのバディ、やすさんが合流した。

彼は今回もランで走っていた。

僕も走り出して追いかけた。


だけどやっぱり刺すような膝の痛みがあり、

また歩いたりしてしまう。


それでも諦めずに走ったり、歩いたり、

さっきのことを思い出したりしているうちに、

膝の痛みが感じられなくなってきた。


(なんの奇跡かわからないけれど・・・)

(この魔法が解ける前に、ゴールまで走ろう!)


再び走り始め、そしてやすさんの背中を追って走り続けた。


わからない奇跡の連続だったけれども。

なんとかゴールできそうだ!


たどり着く前から、感動が溢れ出していた。


そしてついに!


やすさんと走り続けて鳴海駅までたどり着いた!


半べそになりながら、ゴールでペロちゃんの胸に飛び込んだ!


またもや限界を超え、感動し、泣きたいだけ泣いた。


毎回毎回ゴールでは感動しているけれど、

さらに感動したゴールだった。






その7.東海道53次の先につながっていたもの。


そしてついに最終ステージの9、10、11。

鳴海駅から坂の下。

坂の下から大津。

大津から京都三条大橋までのパレード。


船スタートしたステージ9。

走り初めはなんと16時。

ゴールする頃には24時前で、始めてオーバーナイトステージを味わった。


そして次の大津まで。

途中お祭りもあり、おしるこも食べて楽しんだものの。


やはり二日目。

疲労もピーク。


草津CPに着く頃には、痛みもピークで歩くこと度々。

足首が再び動かなくなっていた。


痛くて、悔しくて、自然と涙が出た。


それでも最後のエイドからは痛み止めも飲み、

後悔のないように走り始めた。


川沿いの長い上り道を乗り越えて、ついにゴールできた。


長い道のりも今日で最後。

明日はパレードで23kmしかない。

ついにここまでこれたことを感慨深く思っていた。


11月末ともなった夜のビバークはとてつもなく寒く、

みんなと語り合う焚き火から離れられなかった。


そして最終日はパレード。

琵琶湖のほとりからスタートし、一山超えて京都の三条大橋まで。


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