50年生きてみて その②
前話:
50年生きてみて ①
この51年の人生で
というか
きっと
後にも先にも
わたしが手にした最高の宝物は
紛れもなく
ふたりの息子たち だから だ
だから あの人たちの母親にさせてもらえたことは
本当に本当に
どんなに感謝しても しきれるものではない
元ダンは 結婚前
わたしに対して コンプレックスを持っていた らしい
それは結婚後に 義母から聞いて知った
東京で生まれて 東京で育って
東京に友達がたくさん居て(当たり前(笑)
彼の目には
わたしは何でも持っている と
映っていたのだという
あるとき
デザイン会社の同僚たちと連れだって
クルマで遠出をしたとき
運転していた彼は
前のクルマに追突してしまったことがあった
ほんのちょっと脇見した一瞬の出来事だった
保険が適応されず
賠償金を 支払わなくてはならなくなり
彼は サラ金から借金をすることになってしまった
それを わたしには言えずにずっと隠しながら 返済を続けてた
コンプレックスが そうさせたのだと思う
彼の様子が なんとなくおかしくなったことに気付きながらも
その原因が サラ金への返済だったと知ったのは
結婚して 少し経った頃だった
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