50年生きてみて その②

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前話: 50年生きてみて ①
著者: 金子 瑞恵






借金って

返済しても返済しても 元金が減るまでには至らないんだよね



その月の利息分しか送金出来ない



サラ金業者から催促の電話

この 催促の電話を受けるのは 何しろキツかった





明らかに脅しの含まれた

絵に描いたような取り立ての電話





呼び出し音は 全身を硬直させるための 合図のようなものだった

やるせなさと

情けなさと

あらゆる負の感情が ごちゃまぜになって襲いかかってくる 恐怖の瞬間





そのうち



電話機は



呼び出し音が聞えないように











布団に くるまれた











わたしは デザイン会社に復職し

ふたりで返済を続けた

少しずつ 少しずつ 払い続けてた

元金はなかなか減らなかったけれど

返済は 必死に続けていた









そして 結婚4年目にして ようやく妊娠









お互いが 待ち望んでいた妊娠

延々と返済が続く 先の見えない未来だったけど

それでも 

一筋の光が差し込むような 至福の出来事だった





妊娠したのを機に

家賃の安い

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