第9話 コップの水はどれくらい入っている?【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
私は、自分が大嫌いだった。
かたくなに、自分を愛さなかった代わりに、世界をキレイに見れなくなっていた。
そして、お母さんの愛すら受け取れなくなっていたんだ。
お母さんは、私とお母さんが似てるから怒ったと言った。
それなら、私が私を大好きになれば、似ているお母さんも大好きになるハズだ。
嫌いな人なんて、本当はいないんだ。世界は自分の中にあるんだ。
私はお母さんを愛するために、自分を愛そう。
世界を愛するために、自分を愛そう。
私の目が曇ったら、世界も濁って見えるんだ。
お母さん「 え?.....うん、あはは。ありがとう。 」
お母さんは思いもよらぬ私の言葉に、少し笑っていた。
そして少しだけ話しをして、私はすぐに電話を切った。
もう限界だった。
携帯をにぎりしめたまま、床にしゃがみこんで嗚咽した。
涙がとまらなかった。
私は生まれてから、愛されなかったことなんて、一度もなかったんだ....!
一瞬足りとも、愛されてない時なんてなかったんだ。
それは、自分の世界がひっくり返る出来事だった。
お母さん、おかあさん。
ごめんなさい。ありがとう。
許してね。
ありがとう。
ー愛してるよ
今までの記憶を洗い流してくれるように、涙は流れ続けた。
私は子供のように声をあげて泣いていた。
もうすっかり夕暮れだった。
部屋の外は、真っ赤な夕焼けが東京の街を染めていた。
人生の変化
それから、私の世界はガラリと変わった。
自分を愛せるようになってから、
いつも見える景色が本当に少し鮮やかになった。
嫌いな人や苦手な人が少なくなって、
あんなにいがみ合っていたお母さんは、大好きな人となってしまった。
そして、いつの間にか小さい頃の”色の世界”が戻ってきた。
またあのときみたいに音楽や人に、色がついて見えるようになったんだ。
世界は、本当に変えることができるんだ。
それはまず、自分を愛することだった。
そして、私の日常も大きく変わったことがあった。
それは、人から相談を受けることがとても増えたのだ。
増えたどころじゃない。
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