第11話 人生を変えた旅ペルーⅡ【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
うつらうつら、バスは私を運んで行く。
起きたり寝たり現実と夢を行ききしていた。
眠たい。心地よい眠りだ。
次に少し目の隙間からのぞいた景色は、
薄茶色の砂漠に、もう夕日が落ちていた。
ポツンと家や建物も見える。
なんだか絵本の物語のような、そんな世界だった。
そしていつのまにか、また深く眠っていた。
そして夢を見ていた。
それは、とても不思議で印象的な夢だった。
そこは丘だった。
緑の、大きく開けた丘に、ブラウン色の肌をした男の子。
椅子に座っている。
髪の毛はくるくるで、目がかわいい。
そしてその子が、私に詩を教えてくれるのだ。
一度だけなのか、何度か繰り返されたのか、
ハッキリ頭に残っていた。
許してください
許してください
私は実を食べ草をちぎり
牛や鳥を殺めます。
こんな小さな身体さえ
生きたいと
他の生きたいとする命を
殺します。
許してください
許してください
笑い踊り
ピースを歌いながら
沢山の命を
食べることを。
それでも人が死ぬと
悲しい悲しいと
涙を枯らす。
許してください
許してください
許し難い彼のことを。
好きと言いながら
この恨む気持ちを。
許してください
許してください
母のことを。
理不尽に怒られた事も
こんなにも愛され
まだ愛されたいと
思う気持ちを。
許してください
許してください
そんなちっぽけな
自分のことを。
そんな許せない私を
どうか私は
許してください。
ありがとう。
愛しています。
ごめんなさい。
感謝します。
どうかどうか
許してください。
私に愛を
生きるを
教えてください。
:
:
:
ガタガタッ....!!
バスが急に揺れた。
強い揺れに、突然ふり起こされ目が覚める。
車内は、電気が消され真っ暗になっていた。
窓はいつのまにかカーテンがかかっている。
他の乗客の寝息が聞こえる。
カーテンの隙間から、そっと外をのぞいた。
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