【第15話】『ハッピーエンドを探して』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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また家に帰るということの繰り返しかもしれない。


でも、たった一つだけ常に変わっていくものがある。



それは…



「感情」




感情の種類は、喜怒哀楽だけではない。


「喜」の中にも、

「怒」の中にも、

「哀」の中にも、

「楽」の中にも、


数え切れない種類がある。


これ以外にも、


「嬉しい」「悲しい」だって、


「不安」「辛い」「苦しい」だって、


「気持ち良い」「知りたい」「やってみたい」だって、


すべてが感情で、


その中にも想像を遥かに超える数え切れないほどの種類がある。



それは出来事や環境、タイミング、五感で感じたものすべてが

複雑に重なりあって生まれる。



一瞬たりとも全く同じ感情というものはないんだ。



常に初めての感情で、常に初めての経験。


常に新しいものを感じ続けている。


たとえ同じ場所にいても、同じことをしていても、

本当は毎日が初めてのことばかりなんだ。


誰でも、どんなものでも、

常に変化し続けていて、常に前へ進んでいる。



前へ進むとは、物理的なことじゃない。



「感情の変化」なんだ。



新しい感情を生み続ける。


そして、感じ続ける。


朝起きてから、夜眠るまで。


「毎日がスタートで、毎日がゴール」


なんだ。


丸一週間歩き続けて、こんなことを思った。




そしてまた、新しい一日が始まる。




新しいスタートだ!




昨日の雨でビショビショになった荷物は、

寝袋だけはまだ少し湿っていたが、

それ以外は水たまりに浸かり続けていた靴だってちゃんと乾いている。



このままのペースで行けば、おそらくあと4日ほどで日本海へ辿り着くはずだ。



「今日は、信濃大町まで出よう。」



その次の日は白馬。



その先は長野と新潟の県境。



そして、日本海へ。



白馬から先は完全に山の中になるだろう。



泊まる宿はほとんどない。



それでも、きっと何とかなる。



いや、何とかする。



今までだって、そうしてきたんだ。



「大丈夫!」


「僕は大丈夫!」


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