【第15話】『ハッピーエンドを探して』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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チェックアウトの手続きをした。



「ゆっくりお休みになれましたか?」


フロントのお姉さんは今日も優しい。



「はい!本当に助かりました。ありがとうございます!」




そして僕は、こう訪ねた。



「白馬の方って宿が少なくなりますよね…?」




フロントのお姉さんはこう答えた。



「そうですね…。」
あまりよく知らないので何とも言えませんが、少なくなると思います。」




やはり田舎になればなるほど、観光地でない限り、宿は少なくなる。


きっとこの先の3、4日が山場だ。



「そうですよね!ありがとうございます!」




僕はお礼を言って、チェックアウトを済ませた。





「この先の宿、どうすっかなぁ…」



なんて思いながら、喫煙ルームで一服をしていた。



「ガチャ…」



喫煙ルームの扉が開いた。



それはフロントのお姉さんだった。



「これ、よかったら使ってください!」



そう言って、数枚に渡って印刷されたA4用紙を僕に渡した。


それは、白馬周辺の宿泊施設の一覧だった。


わざわざインターネットで調べて印刷してくれたらしい。



こんなことってあるだろうか?


ここより先にルートインは無い。


自分の利益に全く関係のない宿を調べて、


使ってくださいと渡してくれる。


本当に信じられないことだ!


僕は、モーレツに感激した。



「ありがとうございます!!」
「本当に助かります!!!」



素敵なフロントのお姉さんに精一杯の感謝を伝えた。


失恋中じゃなかったら、完全に恋に落ちてしまうレベルに胸を打たれた。


「いってらっしゃい!」

「お気を付けてくださいね!」


明るい笑顔のお姉さんの声に、めちゃくちゃ元気が出た!



「ありがとうございます!」
「いってきます!!」



僕も万遍の笑みでお別れをした。


癒しだ!!!!




自然の一部に…





昨日の天気予報では、台風が来ると言っていた。


しかし、昨日の雨が嘘のように、今日の天気は晴れ!


やはり天気までもが僕に味方をしてくれている。



僕は、背中を押してもらっている気がした。


「前へ進め!」


自然が、地球が、宇宙がそう言っている気がした。


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