【第15話】『ハッピーエンドを探して』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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きっとこの旅をさせるためだったのだろう。




なんとなくそう思えるようになった。




だったら、目一杯吸収しよう!



見るもの、聴くもの、感じるもの、すべてを吸収しよう!


僕にしか出来ないことなんだから。





僕の見せたい景色…





僕はイヤホンを外した。


自然の音を聴きたかった。


自然を全身で感じたかった。



今日の道は果てしなく真っ直ぐだ。


ずーっと先に山が見える。





「あの向こう側に日本海があるんだ。」



まだまだ全然ゴールなんて見えないが、


素晴らしい天気と、素晴らしい景色に気分は高鳴った。


どこを見渡しても誰一人いない。





この自然は僕のものだ!



そして、僕は歌った。



ONE OK ROCKのNobody’s Home。



Nobody’s home yeah


Nobody’s home yeah


何もかもを捨てて飛び出したあの日


思い出せば、僕の背中を


あの時も強く押してくれてたんだね



Nobody’s home yeah


Nobody’s home yeah


本当に迷惑ばかり掛けてきたから


いつか必ず 超えて必ず


僕の見せたい景色を見せるから




僕は両親を思い出した。



僕が旅に出ると言った時、


両親は一切僕を止めなかった。


「何かをやりたいって気になったのは良くなって来てるんじゃない?」


「やりたいようにやってみな!」


と言ってくれた。


でも本当は、やってみないと納得出来ない僕の性格を

知った上での諦めの混じった承諾だったのだと思う。


止めても、どうせ僕は旅に出るだろうから。



本心では、もの凄く心配をしていたんだと思う。


ちょくちょく連絡も来ていたし。


きっと生死の確認だったんだろう。



「日本海まで行く!」


と言った時、


本当は、


「自殺しに行く…」


と思ったに違いない。


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