【第16話】『最後の挑戦へ』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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と言った。



起業とか、ペンションとか、自分にとっては遥か遠くの認識だったが、


かなり現実味が増した。



やろうと思えば、場所はある。



実際にやってる人がいるんだから、僕にだって出来ないことはないと思えた。




「真剣に考えます!」




やりたいことを自由にやるには、会社に縛られてたら不可能だ。





「起業か…」





そういや小学生の頃から、根拠もなく「社長になる」って思ってたな。



そんなことを思い出した。





「今日、泊まるところはあるの?」




おばちゃんがそう尋ねた。




「まだ決まってないです。」




そう言うと、




「近くで知り合いがやってるとこがあるから、連絡しよっか?」




と言ってくれた。 



とてもありがたい話だったが、


今日のゴールは白馬駅。



まだ先だ。



歩ける体力も残っている。



行けるとこまで行きたい。



その旨を伝え、残念だがお断りをした。



最後に一緒に写真を撮り、心から感謝を伝えた。





「白馬までもうすぐだから!」



「あなたはもう大丈夫!!」



「頑張って!」




おばちゃんは背中を押してくれた。




「ありがとうございます!」



「頑張ってきます!!」




そう言って、お別れをした。




また素敵な人と出逢った。



きっかけはう◯ちだったけど。



ここにもいつかまた戻ってこよう。




「あの時、背中を押してくれてありがとう!」


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