【第16話】『最後の挑戦へ』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
と伝えるために、必ずまた戻ってこよう。
その時また、一緒にお焼きを食べられたらいいな。
そう思った。
おばちゃん、本当にありがとう!
今日のおやじ。
白馬駅までもう少し。
今日も僕は、自分のゴールへ辿り着くんだ。
日本海まで51km。
この文字にテンションが上がる。
やっとここまで来た。
僕は確実にゴールへ辿り着くことが出来る。
嬉しかった。
何も出来ないと思っていたのに、
今の僕は、確実に何かを成し遂げようとしている。
僕にだって出来る。
僕はもう、大丈夫!
そう思った。
しかし、足が痛すぎて前へ進めない。
辺りも段々暗くなって来た。
足の痛みに心が折れそうになるが、
それでも一歩ずつ。
めちゃめちゃゆっくりではあるが、前に進み続けた。
左手には、あのジャンプ台が見える。
「ふなきーふなきー」
のジャンプ台。
僕だって、出来るんだ!
諦めなきゃ、ゴールに辿りつけるんだよ!
絶対に諦めない!
何としてもゴールに辿り着いてやる!
もはや気持ちだけで歩いていた。
そして、白馬駅に辿り着いた。
今日もゴールに辿り着いた。
しかし、もう動けなかった。
足が痛過ぎて、立ってることさえも出来ないくらいな状態だった。
外は寒く、駅の中の待合所に座り、休んだ。
時刻は17:45。
もう真っ暗だ。
今日はまだ宿も決まっていない。
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