【最終話】『僕の宝物』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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不器用だっていい。


周りに批判されようが、

僕は自分の感情に正直に生きたい。



人生は辛いなって思ってた。


でも、その気になれば道は用意されている。


途中で手を差し伸べてもらえる。


変えようと思わなくても、

いつでも用意されていたんだ。


山があり、川があり、空があり、風が吹き、

植物が揺れ、動物たちが戯れる。



その一部になろう。


ありのままに。


時に身を委ねて。


生きよう。


_________________________


帰りの電車で、こんなことを思った。


八王子に着き、相模線に乗り換え、

僕は彼女の出て行った家へ向かう。



人の多さに驚いた。


会社員、OL、学生、年配の人、子ども…

実に様々な人たちが、一つの空間を共にしている。


旅の格好をした僕以外はみな、

いつもの日常の一部だった。


「戻って来てしまった…。」


そう思った。


でも、どこか違かった。


ここにいる誰一人知らないことだが、


僕は今日、日本海に辿り着いたんだ。


すげぇことして来たんだぜ!


僕しか知らないこの事実があった。


誰にどう思われようと、僕はやり遂げたんだ。


自分で決めたことをやり抜いたんだ。


そんな自分を誇らしく思った。


もう電車も怖くない。


人の視線も気にならない。



僕は僕だから。


何があっても、僕は僕だから。



「このままでいい。」


「変わる必要なんてない。」



そう思えた。



「弱くてもいい。」


「今の僕だから、出来ることがあるから。」



僕は、大嫌いだった弱い自分を受け入れることが出来た。



電車を降りると、外は寒かった。


季節が変わっていた。


確実に時間は流れている。


明日も、明後日も、明々後日も、


常に時間は流れ、過ぎ去っていく。


毎日、スタートとゴールがあり、


感情の変化と共に、僕らは成長している。


僕らは前へ進んでいる。


生きている限り、止まることはなく、


前に進み続けている。


そして、これからも進み続けていくんだ。






最寄りの駅に着いた。


僕は帰って来た。

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