【最終話】『僕の宝物』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
僕はしばらく日本海を眺めていた。
でもやっぱり、普通の海だった。
「帰ろう!」
そう思った。
そしてまた、ハシゴに足を掛け、ヒョイっと地面に降り立った。
足に激痛が走った。
とりあえず、美味いものでも食べて帰るか!
昨日から何も食べてない。
腹減った…。
しかし、時刻は8時過ぎ。
お店なんて開いてやしない。
そして僕が選んだのは…
ガスト。
ちょっとリッチにミックスグリルだよ!
ご飯大盛りで。
朝だから、エビフライとソーセージじゃなかったけど…。
うーん!美味い!
ガストの味だ!
日本海まで来ても、ガストはガストだった。
素晴らしいレシピ作りだね…。笑
糸魚川駅から電車で帰る。
まだ時間があった。
動く気にもなれず、しばらくガストで時間を潰した。
日本海に無事に辿り着いたと親に連絡をした。
「これから帰るわ!」
と言った。
時計を見た。
やべーっ!!
余裕ぶっこきすぎて、長居し過ぎた!!
ガストの店員さんに聞けば、
駅までは、徒歩10分くらいと言うではないか!
電車が発車するまで、残りあと7分。
これを逃したら、またあと2時間半待たなければならない。
待ってもいいのだけれど、
そうすると、今日中に家に着けない…。
途中で終電が無くなる…。
どっかの駅で一泊するハメになる…。
僕は、走った。
身体全身の痛みを堪えながら走った。
でも、記念撮影は欠かさない。
バーイ!糸魚川。
バーイ!日本海。
切符を買う。
時間が無い。
駅員さんも焦っている。
電車に乗るためには、ホームの階段を上って下って、
反対側のホームに行かなければならない。
しかも階段はホームの一番端っこ…。
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