◼️ハネムーンで世界各地の観光名所をドレス姿の嫁を連れて巡った話◼️

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「アグーーーリ!!」(おめでとう!)

リフト乗り場にいたたくさんの人たちの祝福の言葉を頂いた。

ちょっと照れくさい。

カプリ島にはアジア人はあまりいなくて、ただでさえ日本人である僕らは

目立つのに真っ白のドレスとタキシードなんて、島中の注目のマトになっていた

しかし、照れくささはあるけど嫌な気分はなく、やはり純粋に嬉しかった


注意深く1人乗り用リフトに乗り、山頂に向かった。

山頂まではとても長かった。

なかなか頂上が見えてこない。

20分くらいかかっただろうか。

上に登るにつれ見る見る島全体が見えてくる。

地中海の深い海の色や、空の青さ、白い建物の可愛さなど、

全てを含みなんてハッピーな島なんだと思った。


リフトで僕らが上がるのと、すれ違いに上から下がる人たちもいる。

もちろん僕らの格好を見てみんなニヤニヤとコッチを見てくる。

カプリ島は世界中の人たちが集まる観光の島だ。

手をふってくる人もいれば、カメラで撮影してくる人もいる。

中でも多かったのは声をかけてくれる人達だった。

「アグーリ!」

「コングラッチレーション!」

すれ違う人たちから、おめでとうの声を沢山いただいた。

山頂に到着するまで50人くらいはすれ違っただろうか。

次から次へとお祝いの声をかけられる。

その中でも、印象に残った言葉がある。


70代くらいの品のある白人の貴婦人が僕に向かって、

「ハピネス トゥ ユー!」

という言葉をかけてくれた。

「幸福をあなたに」

そんな意味だろうか。

どこの国かも分からない見ず知らずの人に、たまたまリフトですれ違っただけで、

幸せを僕に与えてくれたのだ。

その言葉を聞いた時

本当に結婚して良かったなと思った


幸せというのは、言葉という音に乗せて相手に届ける事が出来る。

言葉は時として、相手を傷つけたり殺したりする凶器でもあるが、

幸せを届けたり、人を救う事もできる

それこそが言葉のパワーだと感じた。

結婚生活で今後長い人生をパートナーと過ごすことになる

その言葉の使い方は気をつけなければいけない。


僕等はソラーロ山の頂上に到着した。

そこからの景色はまさに絶景だった。

360度水平線を見渡すことができ、空の青さと海の青さが同色のように見え

まるで空を飛んでいる気分だった。

ルイージは相変わらず、

「アンディアーモって日本語で何て言うんだっけ?」

というジョークで僕らを笑わしてくれた。


山の上からの撮影も終わり次に

「海水浴場で撮影しよう!」とノリノリのルイージ。

オープンカーのタクシーに乗り、僕らを乗せて島の反対側の海水浴場についた。

そこで僕らがビックリしたのは

砂場のビーチなんて無く岩場だらけの場所だった。

世の中には海水浴場というのは、ビーチだけではないというのを初めて知った。

老若男女問わず、みんな水着になり楽しそうに泳いだり遊んでいる。

岩場が少し濡れており純白のドレスが汚れるか心配だった。

「もう最後だし、汚しても大丈夫ですよ」

という感じでアテンドの方が優しく言ってくれたので、気を使わずにドレスで撮影を楽しめた。


するとルイージがいきなり

「俺の後輩を今から呼んだ。これは俺から君たち2人に結婚のプレゼントだぜ!」

最初は意味が分からなかった。

何をプレゼントされるのか。

何故、ルイージの後輩がくるのか。


僕らは海水浴場からほど近くの灯台がある高台に移動した。

とりあえず高台で2人だけで待ってて。と言われ

僕ら2人を残しルイージとアテンドの方は

どこかへ行ってしまったのだ。


「ルイージどこに行ったんだろ。」

「ルイージって本当陽気で面白い人ね。」

「僕らにプレゼントってなんやろ。後輩ってどんな人が来るんやろー。」


そんな話を彼女としてたら、

10分後くらいに変わった音が空から聞こえてきた。

「ブロブロブロブロブロ・・・・・」

ラジコンのヘリコプターでもなく

プロペラが回った謎の飛行物体が僕らの方に寄ってきたのだ。


ドローンだ。


僕らはすぐに分かった。

きっとルイージからのプレゼントは

ドローンを使って空から僕らを撮影する事なんだと瞬時に分かった。

「ブロブロブロブロブロブロブロ・・・・・」

僕らはとりあえずドローンに向かって手を振った。

「ブロブロブロブロブロブロブロ・・・・」


するといきなり真っ黒のサングラスをかけた背の高い白人男性が、

僕らのところに全力で走ってきたのだ。


そして僕らに向かって

「キーーース!キーーース!キーーース!キーーース!」

キスは世界共通語だ。

キスの意味は分かるがその前に一体、お前は誰なんだ。

と思いつつも彼女とキスをした。


「ブロブロブロブロブロブロブロ・・・・・」

その音だけが、響き渡った。

周りが海に囲まれたこんな素敵なローケションで

キスをしたのは初めてだった

この島の人たちはみんな暖かい。

治安も良く陽気で楽しい人ばかり。


「キース!キース!」といきなりコールをしてきたのは、やはりルイージの後輩だった。

ルイージは僕らに空からの写真をプレゼントしてくれたのだ。

こうして僕らのカプリ島でのウェディングフォトは終わった。


彼女の中で今回の旅で1番印象に残ったのは、このカプリ島だと言っていた。

僕らは1日の撮影を終えた後、私服で島を歩いてても

「今日のお昼ウェディングの撮影してたよね?」

というくらいこの島の人は、フレンドリーに話しかけてくれる。

僕らはこの島の多くの人からたくさんのハピネスをもらった。


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