◼️ハネムーンで世界各地の観光名所をドレス姿の嫁を連れて巡った話◼️

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150人くらいしか乗車する事が出来ない飛行機だ。

3人掛けのシートで窓側に僕、

隣に嫁という配列で座って離陸の時間を

待っていた。

すると嫁の隣に見たことある人が座り込んだ。背が高めの黒髪ロン毛のイケメン。

そうパリからの電車の中に自転車を持ち込み、さらには飛行機にも自転車を持ち込んだ

日本人男子だ。

いくら狭い飛行機とは言える150人くらいいる中で日本人は僕らだけで、

よりによって三列シート横3人とも日本人になるって、

「なんでやねんっ!」

とここ心の中で叫んだ。

これほどなんでやねんと思った事はない。


人との出逢いは必然的なモノだ


話を聞くと東京都出身の21歳の大学生、

休学して1人でヨーロッパ巡りをしているとの事。

ドイツやノルウェーなど様々な国を巡って、次はアイスランドに1カ月くらい滞在する流れだった。

自転車について聞いたら本来、工具を使って分解出来る自転車らしいが、ホテルで自転車を分解する工具が盗まれてしまったらしく、

泣く泣く自転車ごと電車や飛行機に乗せたというワケだ

なるほど、改めて話を聞くとスッキリするものだ。

「ブルーラグーン入りにきたの?」

「ブルーラグーンは高いので(入場料5000円くらいする天然温泉)そこらへんに、湧き出てる天然温泉があるらしいので、テキトーに入ります」

お金をあまり持たず長い間1人でヨーロッパを巡っている

行動力、度胸などついて将来きっと有望な社会人になるだろうと思った

それだけ話してその男の子は飛行機の中でよほど疲れていたのだろう、すぐ静かに眠りについた。

その隣でどこでもすぐ寝る嫁も気持ち良さそうに眠りについた。

その男の子も嫁も、

口を開けたまま静かに眠っている。

パリから3時間くらいたってアイスランドに無事到着した。

空港の出口で再び、イケメンの日本人少年と出会った。

「やばいです。自転車がロストバゲージしました。。。」

ロストバゲージとは荷物が間違われて他の空港に行ってしまったり、

紛失してしまったりする事。

なんてこった。

どうやらその自転車は勝手に世界を旅する事になった。

旅にはハプニングがつきもの。

彼には可哀想だが何もする事が出来ず、僕らは空港を後ずさりした


まず空港から出た僕らの一言目が、

「さ、さ、寒いっ!!」

イギリスよりもさらに北に位置し

北極に近くてとても寒い。

僕らはパリで買ったお揃いの

青と赤の色違いのダウンジャケットを着ていた。

まずはブルーラグーンという

世界一広い天然温泉に向かった。



長い旅の終盤にアイスランドを持ってきたのは、この温泉に浸かってゆったりしたかったという理由もあった

更衣室で日本から持参した水着に着替えて、夜のブルーラグーンに嫁と向かった。

その外の世界は心臓が凍ってしまうのではないかと思うくらい寒くて、死の危険まで感じるほどの寒さだった。

一面が温泉の湯気で覆われて視界も数メートル先しか見ることが出来ない。

温泉の色は白というか薄いグリーンっぽい色をした温泉だった

温度でいうと40度くらいだらうか。

外の世界はとても寒いのに温泉の中は暖かくて最高に気持ちのかった。

日本でいうと台風並みの風力で、とても冷たい空気が上半身に突き刺さる

「風が痛い。」と感じたのは生まれて初めての感覚だった

とにかくブルーラグーンは世界最大と言われる事もあり、広かった。50メートルプールが4個くらいある広さだった

日は落ちあたりは真っ暗だ

肌の角質を落としてくれるドロパックをしたり、温泉の中にはBarが併設されており、お酒を飲んだりも出来る


もうここは天国ではないのかと真剣に思うほど幻想的な世界だった


極限の寒さと暖かいお湯

よくギャップのある人はモテるというけれど、その意味がなんとなく分かった気もした。

僕らが泊まるホテルはアイスランドのユースホステルに泊まる事にした。

色んなホテルを色々泊まり歩いてきたけど、ここのホテルが1番印象に残っているかもしれない。

北欧家具が日本では人気だか、それを本底感じる事が出来るホテルだった。

ロビーにたくさんのローテーブル、ローソファーが並べられていた。ランプも関節照明も、丸いものから、四角いもの、トゲトゲのものまで様々なデザインが並べられていた。

鹿の角を使ったオブジェクトや、壁にかかつた絵など、イタリアやフランスとはまた違った雰囲気のあるロビー。

そこにもBarが併設されており嫁と一緒に暖かいコーヒーを飲んで身と心を暖ためた。

「オーロラ見れるといいねー。。」

僕らはオーロラを見にいくツアーに申し込んでいた。しかし、その日はあいにく天気が悪くオーロラは見れずツアーは決行されなかった。

次の日、僕らはレンタカーを借りた。

アイスランドの首都レイキャビークは世界で最も北部にある首都でアイスランドの重要機関ほとんどがそこに集まる。

メインは車での移動手段だ。

国際免許もしっかり更新してきた僕は、車に乗り込んだ。

出てきた車は30万キロくらい走行距離があるボロボロのトヨタのミッションのレンタカーだ。

まぁ、仕方がない。

僕らには行きたい所がある。

僕らの行きたいところというのは、レイキャビークから東へ400キロくらいの距離があるスカフタフェットル国立公園だ。

そこにはどうやら「氷の洞窟」というモノがあるらしい。

よくネットで上がっている死ぬまでに行きたい絶景に掲載されていたスポットだ。



青く太陽の光が透き通る氷のトンネルのように続きその中を通れるといった

そんな所で是非、ウェディング写真を撮りたい!

そんな軽いノリで行くつもりだ。

しかしネットで見ても

日本人で「氷の洞窟行ってきたよ!」というweb記事を見た事がない。

もしや日本人行ったことある人はいないのでは?!僕らが日本人初になれるのではと、

変な期待をしてしまっていた。

しかし、レンタカーを運転し始めて

それがすぐ恐怖へと変わった。

僕はミッションの車を運転するのは、

18歳の時に免許取得の時に運転したぶりくらいだ。

最初は、

「ドドドドドンッ!!」

とエンストして車は止まった。

さらに、

「ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドドドドンッ!」

とノッキングしてからのエンストをした。

果たして初めての海外レンタカーで

左車線左ハンドルを運転して、

400キロ(東京から京都を車で日帰りするような感じ)を走れるのか。

しかもアイスランドの道はほとんど無料の高速道路状態。スピードをグングン出せて、死亡事故の多い国。

車もボロボロすぎるので途中で故障してもおかしくないレベル。

電話も圏外エリアばかりだし、もし繋がったとしてもアイスランド語も英語も分からない。

一本道なので迷う事はないが、

もし、車が故障したら僕らはこの寒すぎるアイスランドという国に、エアコンの効かない車の中で一晩過ごすと考えたら、背筋がゾッとした。

しかし400キロの日帰りだ。時間がないと思い、とりあえず東の方向にスタート。

ミッションにもだいぶ慣れてきた。

海外によくあるクルクル回るロータリーのような進行方向を変える構造にも慣れてきた

ただ本当にひたすら一本道を走る

アイスランドは火山の国というだけあって、のどかに広がる土地は、茶黒い土色をしておりそれが永遠に続いていた。

本当の自然の川を見た。

僕らは人間の手により舗装された川しか今まで見た事がなかった。

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