【第17話】『奇跡のおばちゃん』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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「あの先が新潟県だって!」


新潟県。


糸魚川はすぐそこ。


いよいよ本格的に日本海が近付いて来た。


僕は、嬉しくなった。







道の駅小谷


なぜか恐竜がいた。笑


この時、時刻は14時過ぎ。


ここの時点で20km歩いた。


所々で写真を撮ったり、一度コンビニでレッドブルを注入したが、

あまりのペースの速さに驚いた。


これまでの9日間、1日をかけて25km歩いていたにも関わらず、

疲労の蓄積された10日目にして、

たった5時間足らずで、20kmを歩くことが出来た。


体力もまだ十分残っている。


足もまだ大丈夫。


時間だってまだある。


僕は更に嬉しくなった。


「本当に限界は、自分で決めているのかもしれない…。」


そう思い始めていた。



この道の駅小谷は温泉がある。


いつもの倍の距離を歩くから、ここで温泉に入ろうかと思っていた。


しかし、進むべき道のりは、また更に20km以上。


5時間以上は掛かる。


今から出ても、21時を過ぎてしまう。


のんびりしている暇は無い。


僕は、ストレッチをしながら、水分補給と、

カロリーメイト的なものを少し頬張り、また歩き出した。



まだまだ行ける!


僕の限界はこんなもんじゃない!



そう言い聞かせながら、またひたすらに歩いた。




またトンネルがある。


困った…。


さっきの道の駅小谷で、屈んだ時に、

ヘッドライトが頭から抜けて、壊れてしまった…。


肩からぶら下げていた手持ちライトも、数日前の雨に晒されたせいで、壊れてしまっていた。


ライトが無いのは、本気で生死に関わる。


僕は、トンネルの手前でライトを修復した。


念のために電池も変えた。


修復って言っても、割れた部分をテーピングでくっ付けたり、接触部分の金具をイジったりしただけなのだが…。


ヘッドライトは問題なく点いた!


手持ちのライトは、機嫌が良ければ点いた!笑


これでひとまず安心だ。



そして、トンネルに突入する。


一つ目の塩尻トンネルを抜けた。


ここで事件が発生する…


少し遠くの方で、山側から何かが幾つも前を通り過ぎ、民家に降りていった。



パンパンパーン!!!



僕は一瞬で凍り付いた。


冷や汗が全身からバーッと溢れ出るのが分かった。



な、な、何だ?



銃声と共に、先ほど前を通り過ぎた幾つもの何かが山へ戻っていく。



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